日本人の死因第6位の「誤嚥性肺炎」ー予防に役立つ口腔ケアについて

こんにちは。
大塚デンタルオフィス、院長の小巻です。
皆さまは「誤嚥性肺炎」という病気をご存じでしょうか。
厚生労働省が発表した「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、令和3年に誤嚥性肺炎で亡くなった方は49,489人にのぼります。これは1日あたり約136人が亡くなっている計算になります。
また、誤嚥性肺炎は日本人の死亡原因の第6位であり、私たちにとって非常に身近な病気でもあります。
今回は、誤嚥性肺炎のリスクを減らし、予防に役立つ口腔ケアについてお話しします。
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎は、本来食道から胃へ送られるはずの食べ物や唾液などが、誤って気道に入ることで発症する肺炎です。
高齢になると喉の筋肉が衰え、噛む力や飲み込む力が弱くなり、誤嚥を起こしやすくなります。
主な原因は「肺炎球菌」ですが、ほかにもクレブシエラ菌や緑膿菌、黄色ブドウ球菌などがあり、これらの菌が気道から肺に入ることで発症します。
誤嚥性肺炎を予防するために
誤嚥性肺炎を予防するためには、「口腔ケア」を続けることが大切です。
口腔ケアには、歯みがきやうがいなどでお口の中を清潔に保つ「器質的口腔ケア」と、お口の機能を高める「機能的口腔ケア」の2つがあります。
それぞれについてご紹介します。
器質的口腔ケア
器質的口腔ケアは、お口の中をきれいにし、常に清潔に保つためのケアです。
歯ぐきや舌、頬の内側など、細菌が繁殖しやすい部分の汚れをしっかり落とすことで、肺炎の原因となる菌を減らし、誤嚥性肺炎のリスクを下げることができます。
機能的口腔ケア
機能的口腔ケアは、お口の機能を改善・維持・向上させるためのケアです。
代表的なものに「嚥下体操」や「パタカラ体操」などがあります。
嚥下体操は深呼吸や首・肩の体操をすることで、身体の緊張をほぐし、お口を動かしやすくする効果があります。
パタカラ体操は、「パ」「タ」「カ」「ラ」と声に出して発音することで、唇や舌を動かし、食事のときに使う筋肉を鍛えます。
これらのケアを取り入れることで、食べ物や唾液がうまく飲み込めるようになるほか、円滑なコミュニケーションにもつながります。
誤嚥を防ぐために、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
まとめ
誤嚥性肺炎は、お口の中を清潔に保ち、嚥下体操やパタカラ体操などを行なうことで、そのリスクを減らすことができます。
また、お口の中の原因菌を減らして清潔な状態を保つためには、定期的な歯科医院の受診がおすすめです。
当院では、定期検診やクリーニングのほか、訪問歯科診療も行なっています。
「歯科医院に行きたいけれど自分で通院することは難しい」「高齢の家族を歯科医院に連れていくことは難しい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。